天皇とアベ政権の対立は尋常ではない(その2)
2016年12月29日(木)
昨日の初日の出です。




<天皇とアベ政権の対立は尋常ではない(その2)>
さて、昨日の続き、毎日新聞の記事要約です。
1.生前退位について
① 天皇陛下の退位の意向は、風岡前宮内庁長官が去年秋、官邸に対して正式に伝えていた。
去年12月の天皇誕生日に記者会見で公表しようとしたが、官邸の反対で見送られた。
② 去年12月の公表が実現しなかった理由は
「アベ政権が今年夏の衆参同日選を検討していたこと」から。
③ また、宮内庁は「おことば原案」を官邸に提示する前に、
内閣法制局に相談した。
通常は、宮内庁が官邸に伝えた後、官邸が法制局と協議する。
しかし、宮内庁は
「安倍首相の支持層につぶされてしまうことを恐れ、正面から持ち込めなかった」。
④ アベ首相を支持する保守派は女性・女系天皇に反対し、退位反対も多い。
2.「主権回復記念式典」天皇式辞拒否について
① 13年4月28日、政府主催のサンフランシスコ講和条約発効61年の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」での出来事。
② 陛下は、式典への出席を求める政府側の事前説明に対し、
「その当時(サンフランシスコ講和条約が発効時)、沖縄の主権はまだ回復されていません」
(沖縄の本土復帰は1972年で、当時はまだ米国の占領下にあった)と指摘された。
③ 結果、安倍首相、衆参両院議長、最高裁長官の三権の長は式辞とあいさつを述べたが、陛下のおことばはなかった。
④ 政府の助言(出席せよ)には象徴天皇として従わざるを得なかったが、
国民統合の象徴として沖縄のことを常に案じている陛下にとって、苦渋の決断。
⑤ 陛下は皇太子時代に沖縄で火炎瓶を投げられた。
陛下は皇太子時代から沖縄問題を系統的に勉強されている。
3.生前退位法整備が「首相の解散権を制約する」について
① 陛下はおことばを公表する直前、「恒久的な制度」による退位を望む考えを学友の明石元紹氏に打ち明けている。
② 明石氏は退位問題を担当する杉田官房副長官に陛下の考えを伝えたが、
杉田氏の答えは
「恒久法ではどうしても国会をまたがないといけないから、難しくて困りますなあ」というものだった。
(官邸は一代限りの特別立法で対応する方針)
③ 杉田氏が「国会をまたぐ」ことを理由に皇室典範改正(恒久法)を否定するのは、
「法整備に時間がかかれば、首相の解散権を制約しかねない」
という懸念があるためだ。
何と言う姑息、不遜。
4.IOC総会、高円宮妃久子さまの出席の件
官邸と宮内庁で食い違うのは退位問題に限らない。
安倍政権では13年9月、五輪招致に関わる国際オリンピック委員会(IOC)総会への高円宮妃久子さまの出席を巡って、菅官房長官と風岡宮内庁長官が激しくやりあった。
風岡長官が記者会見で「天皇、皇后両陛下もご案じになっているのではないか」と出席を要請した官邸を批判。
菅氏は記者会見で「両陛下の思いを推測して言及したことは非常に違和感を感じる」と反論した。
官邸は宮内庁が「陛下の意向」を盾に異を唱えることに敏感に反応する。
選挙という民主主義の手続きを経ている首相の行為が、そうした手続きを経ない「陛下の意向」によって制約されることへの警戒感がある。
5.皇居・乾通りの一般公開の件
今年の春、皇居・乾通りの一般公開を巡っても、官邸と宮内庁は対立した。
観光戦略で国有施設の一般公開を進める菅氏は、16年春、公開期間を5日間から10日間に拡大するよう宮内庁に打診。
しかし同庁は「例年通りしかできない」と拒否した。
菅氏が再度要請し、同庁は妥協案として1週間の公開をのんだ。
ただし桜の開花時期が遅れたためさらに3日間延長し、結局は10日間公開した。
6.宮内庁長官更迭について
① 官邸幹部は
「陛下の意向を持ち出して、できないという宮内庁はおかしい組織だ」
と怒る。
② この時期、退位問題はすでに官邸に正式に伝えられていた。
退位問題を背景に、主導権がどちらにあるかは譲れない問題になっていた。
③ 風岡長官は来年3月まで務めるとみられていたが、9月に退官した。
風岡さんは官邸とうまくいかず更迭された。
④ 宮内庁次長が長官となり、次長ポストには内閣危機管理監の西村泰彦氏が送り込まれた。
⑤ 毎日新聞は12月、明石氏の証言を基に、恒久的な制度を望む陛下の考えを報じた。
政府内では宮内庁が陛下の意向を使って陰謀をたくらんだことになっている。
官邸は西村さんを次長に送り込んだのに、宮内庁がまた『陛下の意向』を使って仕掛けてきたと考えている。
風岡さんに続いてまた誰かが更迭される話が飛び交っている。
NHKを意のままにし、
日銀を意のままにし、
内閣法制局を意のままにし、
ついに天皇まで意のままにする。
アベ独裁政治、ここに極まれりである。
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昨日の初日の出です。




<天皇とアベ政権の対立は尋常ではない(その2)>
さて、昨日の続き、毎日新聞の記事要約です。
1.生前退位について
① 天皇陛下の退位の意向は、風岡前宮内庁長官が去年秋、官邸に対して正式に伝えていた。
去年12月の天皇誕生日に記者会見で公表しようとしたが、官邸の反対で見送られた。
② 去年12月の公表が実現しなかった理由は
「アベ政権が今年夏の衆参同日選を検討していたこと」から。
③ また、宮内庁は「おことば原案」を官邸に提示する前に、
内閣法制局に相談した。
通常は、宮内庁が官邸に伝えた後、官邸が法制局と協議する。
しかし、宮内庁は
「安倍首相の支持層につぶされてしまうことを恐れ、正面から持ち込めなかった」。
④ アベ首相を支持する保守派は女性・女系天皇に反対し、退位反対も多い。
2.「主権回復記念式典」天皇式辞拒否について
① 13年4月28日、政府主催のサンフランシスコ講和条約発効61年の「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」での出来事。
② 陛下は、式典への出席を求める政府側の事前説明に対し、
「その当時(サンフランシスコ講和条約が発効時)、沖縄の主権はまだ回復されていません」
(沖縄の本土復帰は1972年で、当時はまだ米国の占領下にあった)と指摘された。
③ 結果、安倍首相、衆参両院議長、最高裁長官の三権の長は式辞とあいさつを述べたが、陛下のおことばはなかった。
④ 政府の助言(出席せよ)には象徴天皇として従わざるを得なかったが、
国民統合の象徴として沖縄のことを常に案じている陛下にとって、苦渋の決断。
⑤ 陛下は皇太子時代に沖縄で火炎瓶を投げられた。
陛下は皇太子時代から沖縄問題を系統的に勉強されている。
3.生前退位法整備が「首相の解散権を制約する」について
① 陛下はおことばを公表する直前、「恒久的な制度」による退位を望む考えを学友の明石元紹氏に打ち明けている。
② 明石氏は退位問題を担当する杉田官房副長官に陛下の考えを伝えたが、
杉田氏の答えは
「恒久法ではどうしても国会をまたがないといけないから、難しくて困りますなあ」というものだった。
(官邸は一代限りの特別立法で対応する方針)
③ 杉田氏が「国会をまたぐ」ことを理由に皇室典範改正(恒久法)を否定するのは、
「法整備に時間がかかれば、首相の解散権を制約しかねない」
という懸念があるためだ。
何と言う姑息、不遜。
4.IOC総会、高円宮妃久子さまの出席の件
官邸と宮内庁で食い違うのは退位問題に限らない。
安倍政権では13年9月、五輪招致に関わる国際オリンピック委員会(IOC)総会への高円宮妃久子さまの出席を巡って、菅官房長官と風岡宮内庁長官が激しくやりあった。
風岡長官が記者会見で「天皇、皇后両陛下もご案じになっているのではないか」と出席を要請した官邸を批判。
菅氏は記者会見で「両陛下の思いを推測して言及したことは非常に違和感を感じる」と反論した。
官邸は宮内庁が「陛下の意向」を盾に異を唱えることに敏感に反応する。
選挙という民主主義の手続きを経ている首相の行為が、そうした手続きを経ない「陛下の意向」によって制約されることへの警戒感がある。
5.皇居・乾通りの一般公開の件
今年の春、皇居・乾通りの一般公開を巡っても、官邸と宮内庁は対立した。
観光戦略で国有施設の一般公開を進める菅氏は、16年春、公開期間を5日間から10日間に拡大するよう宮内庁に打診。
しかし同庁は「例年通りしかできない」と拒否した。
菅氏が再度要請し、同庁は妥協案として1週間の公開をのんだ。
ただし桜の開花時期が遅れたためさらに3日間延長し、結局は10日間公開した。
6.宮内庁長官更迭について
① 官邸幹部は
「陛下の意向を持ち出して、できないという宮内庁はおかしい組織だ」
と怒る。
② この時期、退位問題はすでに官邸に正式に伝えられていた。
退位問題を背景に、主導権がどちらにあるかは譲れない問題になっていた。
③ 風岡長官は来年3月まで務めるとみられていたが、9月に退官した。
風岡さんは官邸とうまくいかず更迭された。
④ 宮内庁次長が長官となり、次長ポストには内閣危機管理監の西村泰彦氏が送り込まれた。
⑤ 毎日新聞は12月、明石氏の証言を基に、恒久的な制度を望む陛下の考えを報じた。
政府内では宮内庁が陛下の意向を使って陰謀をたくらんだことになっている。
官邸は西村さんを次長に送り込んだのに、宮内庁がまた『陛下の意向』を使って仕掛けてきたと考えている。
風岡さんに続いてまた誰かが更迭される話が飛び交っている。
NHKを意のままにし、
日銀を意のままにし、
内閣法制局を意のままにし、
ついに天皇まで意のままにする。
アベ独裁政治、ここに極まれりである。
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